第95章

深夜0時の帰り道なんて、何度も歩いていれば幽霊に出くわすことだってある。まして原田麻友は、たった一人で2時間以上も歩き続けたのだ。

紬が首をかしげる。

「……そのおじさん、探しに来なかったの?」

原田麻友は小さく首を振った。

「来ないよ。だって、私が本当に出て行ったって知らないもん。歩きながらずっと泣いて……もう、何もかも嫌になった。こんなに稼いで、何の意味があるんだろって」

紬の小さな顔が、ますます分からないというふうに曇る。

「じゃあ、なんで言わないの?」

原田麻友はため息をついた。

「言いたくない。言っても……虚しいだけ」

紬「……」

蒼海「……」

神崎雅志は眉を...

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